アブストラクト

6〜7回に分けて論じる予定の「野田洋次郎と人間科学」は、次の点を主眼として書いています。

歌詞から読み取れる野田洋次郎人間性を想像しながら、人間の「心」とは何かについて考察する

野田洋次郎氏は、日本のロックバンド(と言っていいのかはわかりませんが)RADWIMPS(読みはラッドウィンプス)のボーカルであり、同バンドの作詞作曲を手がけるアーティストです。
慶応義塾大学SFCに入学した帰国子女というと、いかにも天才っぽい肩書きですが、実際彼は英語を歌詞の中で駆使し、社会風刺・六星占術・下ネタなど幅広い知識を披露する「天才」と言っていいと思います。

まぁ、日本にたくさんいるバンドのひとつに過ぎないのですが、日本のロック史から考えれば、間違いなくバンプオブチキンの流れをくむ、歌詞のメッセージ性が強いアーティストだと言えます。

野田氏は、「たった一人の女性への愛情表現のためにアルバム4枚を費やした」と語ります。じゃあその愛情表現、彼の私情が入りまくった歌詞を追ってみようじゃないのというのが、この論考のひとつの目的です。

そこに絡める学問領域は、人間科学human scienceという、聞いただけで幅の広そうな分野なのですが、実は「人間を科学する」という試みは、そう古い起源を持つわけではないようです。
人間以外の物質を科学する自然科学、人間社会を科学する社会科学、人間文化を科学する人文科学は古くからあっても、人間そのものを対象とする科学が芽生えたのは、どうやら20世紀に入ってからのことらしいです。大学学部も、設置の遅かった分野ですしね。
この人間科学の中から、「心」の問題を取り上げて、人間科学の意義と限界まで触れられたらいいなぁと思っています。まぁちょっと大げさすぎますけどねw

以上、700字くらいでまとめてみました。
これからもよろしくお願いします。