メタボリズム都市とドラクエ

六本木の森美術館で開催されている、メタボリズムの未来都市展に関して。

平日昼だというのに、森美術館には子どもたちがたくさん。
メタボリズム展は、ドラクエ展と抱き合わせで開催されており、何らかの理由で学校が休みになっている少年たちが、ドラクエ展に詰めかけているのでした。


1960年代以降のメタボリストたちは、「生命体」としての建築物を模索しました。
都市や中に住む人々が、有機的に関わりを持ち広がっていく建築物とでも言えるでしょうか。

メタボリストたちのつくる建築物模型は、まさにSFでイメージされる未来都市そのもの。
中でも、東京湾上に都市をつくるというプロジェクト。
このプロジェクトは、都市を放射状に広げるのではなく、都市を直線的に延びていくものとして構想したものでした。
今の東京は、渋谷・新宿・池袋・秋葉原を起点とした放射状都市です。
この構想が実現していれば、現在の東京は満員電車とは無縁の、少し違ったものになっていたのかもしれません。


何よりも私が特筆すべきだと感じたのは、
これがドラゴンクエスト展と同時に開催されているという事実です。もちろん、偶然に寄与する部分が大きいと思うのですが。

私が中学生のころ、弟と「マイホームドリーム」という家の間取りを作るゲームを使い、
迷路を作りあって相手に解かせるという遊びをしていました。
作った間取りが、すぐに3Dとなって現れるこのゲームは、私たちの空間認識を大いに刺激したのだと思います。

メタボリズム展では、3D映像や模型を用いながら、建築家が構想した/実現したアイデアが三次元的によくわかるようにキュレーションされています。
模型を触れないのが仕方ないこととはいえ残念なのですが、
ドラクエ展に来た子どもたちがついでにメタボリズム展もさくっと見て、彼らの空間認識が刺激されることになっていたのだとしたら、ドラクエの2次元と建築の3次元という、なんとも見事な抱き合わせだと感じずにはいられません。

大阪万博との関係など、建築の知識を有する人にとっても見ごたえのある展示なのではないかな、と思います! みなさまぜひ!
メタボリズム展は1月まで、ドラクエ展は12月初頭までです。